関東及び沖縄在住者のトランス脂肪酸摂取量の調査について

日本マーガリン工業会
  1. 緒言】

    トランス脂肪酸(TFA)については、食品安全委員会が2007年に「ファクトシート」で、日本人一日当たりの推計摂取量はWHO/FAOの推奨目標量であるエネルギー比率1%未満となっているとしつつも、「脂肪の多い菓子類や食品の食べ過ぎなど偏った食事をしている場合では平均値を大きく上回る摂取量となる可能性はある」とした。そこで、当工業会としては、中高年者に比べ脂質を多く摂取していると見られる若年者を対象に、食事調査を行い、一日の食事メニューをでき得る限り忠実に再現し、実際に食した量から一日当たりのTFA摂取量を算出した。

  2. 方法】
    1. 調査対象者及び調査期間
      1. 1.関東及び沖縄在住の大学生118名(関東男32・女31、沖縄男25・女30)
      2. 2.6日間(関東男07年10月6日~・女9月29日~、沖縄男女10月19日~)
    2. 調査方法
      1. 1.食事調査方法:デジタル画像を用いる食事記録法。食事前後及び食材を記録。
      2. 2.食事の再現:1.により食品の重量化を行い、調査5日目の食事を再現し、実測。
        再現の食材調達は、弁当、惣菜、外食等は購入店舗で同一商品を、加工食品は同一銘柄を、生鮮食品は同種のものを購入し、期間限定品商品はその販売店の最類似食品で代用。
        各個人別に食事サンプルをホモジナイズし試料を調製。
    3. TFA分析手法

      クロロホルムーメタノール混液抽出法により脂質を抽出後、脂肪酸メチルエステルとし、ガスクロマトグラフィー法で分析。

  3. 結果】
    1. 1日あたりTFA摂取量の平均値(中央値):

      関東男0.66g (0.43g)・女0.63g(0.49g)

      沖縄男0.70g(0.30g)・女1.00g(0.73g)

    2. TFAエネルギー比率の平均値(中央値):

      関東男0.29% (0.22%)・女0.41%(0.29%)

      沖縄男0.30%(0.14%)・女0.53% (0.35%)

    3. TFA/リノール酸比の平均値:

      関東男0.10・女0.11、沖縄男0.07・女0.12

      (参考:TFA/リノール酸比<1の場合、トランス酸の影響は低減する)

      結果に関する図